【第5回 地方経済未来会議 LEC熊本2025】開催レポート
11/13(木) - 11/14(金)『LEC熊本』開催 !
登壇者31名、参加者数のべ900人規模
今回の地方経済未来会議「LEC」(Local Entrepreneur Creation)が開催されたのは、熊本の地。
主催する一般社団法人熊本イノベーションベース(KUIB)は、スターティアホールディングス創業者・本郷秀之氏(熊本県長洲町出身)が、2016年の熊本地震を経て「地域ビジネスの振興こそ自分の使命」との思いを抱き立ち上げた地元経営者育成塾を前身としています。
来年で熊本地震から10年という節目を迎える中、KUIBの主催、そして熊本県・熊本市・熊本経済同友会の後援のもと、熊本市で盛大に開催されました。
期間は2025年11月13日・14日の2日間。会場となったホテル日航熊本には、熊本をはじめ全国各地から、経営者、IB会員、EOメンバー、LEC熊本の賛助企業、行政、金融機関、学生など、多様な参加者が集い、2日間でのべ900人規模となりました。会合では、経営の第一線で活躍する上場企業経営者26名を含む計31名の講師陣が登壇。
2日間・12時間にわたる会合の中で、計26の多彩なコンテンツが展開されました。


※LECは、第1回を徳島、第2回を岩手、第3回を長野、第4回を静岡で開催し、今回の第5回は熊本での開催となりました。次回の第6回は山梨で開催される予定です。
■オープニングセッション
2日間にわたるプログラムの幕開けとして、KUIB代表理事の本郷秀之氏(スターティアホールディングス株式会社 代表取締役社長)と、KUIB第8期運営委員長の鈴木健太氏(鈴木電設株式会社 代表取締役)が開会挨拶を行いました。
本郷氏は、「東京一極集中からどう脱皮していくか。その中心にいるのは起業家であり、ベンチャースピリットだ」と述べました。

続いて登壇した鈴木氏は、「このような大きな会議の運営は初めてだが、熊本IBの仲間とともに一生懸命準備してきた。ここでの出会いや学びを、成長・変化・チャレンジのきっかけにしてほしい」と参加者に呼びかけました。

■xIB JAPAN代表理事 藤田恭嗣氏 講話
xIB JAPAN代表理事の藤田恭嗣氏(株式会社メディアドゥ 代表取締役社長CEO)の講話は、「地方創生」の再定義から始まりました。
“中央が地方を支える”という構図ではなく、「地方にこそアセット(資産)がある」と発想を転換すべきだと説き、起業家支援とスポーツ連携の二本柱による取り組みを紹介しました。

徳島IBで人口約900人の村から年商1億円企業が誕生した成功事例を紹介し、「攻めに転じる姿勢が地方から日本を変える」と強調。
また、BリーグとxIBの協働による「地方創生リーグ」構想のほか、娘の子育て経験をもとに個人で推進する新たな里親制度の構想にも触れました。
最後に、「地方創生はディフェンスではなくオフェンス。今こそ攻め時。LEC熊本を一人ひとりの“攻め”の第一歩にしてほしい」と参加者へ力強いエールを送りました。
■基調講演:株式会社桝田酒造店 代表取締役 桝田隆一郎氏
続く基調講演では、日本酒「満寿泉」(ますいずみ)で知られる株式会社桝田酒造店 代表取締役 桝田隆一郎氏が『どこにでもある町』を変えた経営戦略」をテーマに講演しました。

桝田氏は、かつて北前船で栄えた富山市・岩瀬の衰退した街並みで、古い建物を次々とリノベーションし、アートと食の力で魅力あるエリアへ再生してきた取り組みを解説。
「改装を重ねるうちに街全体が自分の作品のようになる」と語り、価値向上のプロセスを共有しました。
さらに、決裁権者を見極める・社長本人に話すなど実践的な“巻き込みの工夫”や、挑戦的な蕎麦店づくりの事例にも触れました。
■分科会セッション(全18セッション)
分科会では、参加経営者が自社の売上規模や社員数に応じてテーマを選べるよう、6会場に分かれて実施され、各3コマ・計18セッションが展開されました。
このうち、売上2,500〜5,000万円、社員数3〜5名の企業を対象とした分科会のパネルディスカッション「地方企業が優秀な人材を確保するには?」では、地方企業における採用・育成・カルチャーフィットをテーマに議論が展開。

パネリストからは、優秀な人材像として「素直さ」「変化への適応力」「チーム志向」「コーチャブルで挑戦を受け入れる姿勢」などが挙げられたほか、リモートワーク下での企業文化づくりの難しさや、採用権限を幹部に委譲したことでカルチャーが乱れた経験など、率直な失敗談も共有されました。
このほか、資金調達、働き方改革、ブランド戦略、AI活用など多彩なテーマのセッションが行われ、参加者にとって学びの濃い時間となりました。



■懇親会
夜には、参加者同士の交流を目的とした懇親会が開かれ、和やかな雰囲気の中で親睦を深める時間となりました。
熊本県の木村敬知事の挨拶に続き、「満寿泉」の鏡開きと乾杯、そして地元熊本の秀岳館高校による雅太鼓の演奏が披露され、力強い響きが会場を包み込みました。


その後、各地から参加したIBメンバーがそれぞれの活動や取り組みを紹介。設立準備中のメンバーも登壇し、1日目の会合で示された「ベンチャースピリット」や「ディフェンスからオフェンスへ」というメッセージを共有する会合となりました。




■2日目:「xIB JAPAN AWARD 2025」
2日目は、LEC熊本のメインコンテンツ「xIB JAPAN AWARD(全国IBアワード)」が開催され、各IBから選抜された代表経営者12名が登壇しました。くじ引きで決まった順番に沿って、一人7分間、自社の事業や成長、地域への貢献、そして今後の展望についてプレゼンテーションしました。
またプレゼン開始前には、藤田氏からサプライズとして、今回のLEC熊本よりメディアドゥ単体で総額100万円の賞金(最優秀賞50万円、グロース賞20万円、GRID賞・地域貢献賞・ビジョナリー賞 各10万円)が贈られることが発表され、会場は大きな歓声に包まれました。
登壇者は以下の12名です(登壇順)。
- 梅鉢不動産株式会社(山梨IB)― 代表取締役 梅原 颯大 氏
- 株式会社Space Power Technologies(京都IB)― 代表取締役 古川 実 氏
- 株式会社グラビティクラフト(熊本IB)― 代表取締役 井上 浩一郎 氏
- 株式会社FMI(長野IB)― 代表取締役 岩下 誠 氏
- 株式会社Wewill(静岡IB)― 代表取締役 杉浦 直樹 氏
- TK twins株式会社(鹿児島IB)― 代表取締役 髙野 猛 氏
- HUB SAUNA株式会社(新潟IB)― 代表取締役 冨田 翼空 氏
- 株式会社ROARS(千葉IB)― 代表取締役 Kay 氏
- 株式会社スタディブレイン(和歌山IB)― 代表取締役 吉村 健吾 氏
- 株式会社タイムオクトーバー(高知IB)― 代表取締役 加藤 慎一朗 氏
- ENTECH株式会社(株式会社吉井技工/広島IB)― 代表取締役 吉井 誠 氏
- Kitagawa Motors株式会社(徳島IB)― 代表取締役 中田 清文 氏



審査は、「事業の成長」「個人の成長」「地域貢献」に、今回から新たに加わった「将来展望」を含む4つの評価軸で実施。各IBファウンダーをはじめとする14名の審査員に加え、現地参加者も投票に参加し、受賞者が決定しました。
受賞者は、以下の方々です。
【xIB JAPAN AWARD 2025 受賞者】
最優秀賞:株式会社グラビティクラフト(熊本IB)― 代表取締役 井上 浩一郎 氏
グロース賞(事業成長軸):株式会社Wewill(静岡IB)― 代表取締役 杉浦 直樹 氏
GRID賞(個人成長軸):Kitagawa Motors株式会社(徳島IB)― 代表取締役 中田 清文 氏
地域貢献賞(地域貢献軸):梅鉢不動産株式会社(山梨IB)― 代表取締役 梅原 颯大 氏
ビジョナリー賞(将来展望軸):株式会社ROARS(千葉IB)― 代表取締役 Kay 氏





井上氏は最優秀賞の受賞に際し、「まさか自分が選ばれるとは思っていませんでした。教わったことを愚直に実践してきただけです」と感謝の思いを語りました。
受賞された皆さま、本当におめでとうございます。







■クロージングと次回開催地へ
xIB JAPAN AWARD の表彰後は、熊本IBファウンダーの本郷氏とともに、「xIB JAPAN AWARD 2025」の登壇者12名が本日の振り返りを行いました。プレゼンを終えて緊張がほぐれた登壇者からは、起業に迷う人たちへ向けた力強いエールも送られました。


その後、本郷氏による閉会挨拶が行われ、最後にはサプライズとして、熊本IBを代表して運営委員長・鈴木氏から本郷氏へ感謝のメッセージが贈られました。
来場者へのアンケートでは、満足度95.6%と大変良い評価をいただきました。
密度の濃い2日間を終えた会場には、充実感と温かな余韻が満ちていました。

第6回目となる来年は、2026年10月8日(木)・9日(金)に山梨で開催予定です。全国の起業家たちが再び一堂に会し、山梨の地で新たな価値を共に創造する場となることを願っております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
熊本IBの皆様、LEC熊本実行委員の皆様、大変お疲れさまでした。
そして、ありがとうございました。



